韓日中産業保健学術集談会の歩み
集談会ができるまで

 1980年、韓国では産業安全保健法が新設され、産業安全保健が推進されるようになった。
それを機に、ILOやWHOの国際交流が活発に行われるようになり、親交の深かった
゙圭常氏(大韓産業保健協会・現名誉会長)、李昇漢氏(同協会現顧問)、および小木和孝氏(労働科学研究所現顧問)が、「日韓産業保健学術集談会」の設置を、斉藤一氏(労働科学研究所所長・当時)に提案したのが始まりである。

 この集談会は、国と国との学会間の正式の集まりではなく、お互い親しい同学の集まりとして両国が抱えている懸案の問題を膝を交えて話し合う会という意味で、集談会と名づけ、毎年交代に五月の週末を利用して質素な形で開催する事とした。
日本側の初代事務局は、乾修然氏(京都工場保健会名誉所長)、韓国側は、現在と同様に大韓産業保健協会に設置された。

 また、日韓両国の産業保健を担う次世代の学者達により、会の継承促進を目的として、第8回の京都集談会から第12回の岡山集談会まで「
青年部会」が発足された。青年部会は、年齢が50歳以下の会員で構成され、両国相互の交流や意見交換、共同研究が活発に行われた

   

これまでの歩み  

第1回 1984年5月25〜27日 於:ソウル パレスホテル・カソリック医科大学
演  題: 工業中毒、じん肺症・呼吸器疾患、特殊健診・作業環境管理


第2回 1985年4月  於:京都 堀川会館
演  題: 中小企業における衛生管理制度と活動


   
          
  第1回集談会                             第2回集談会

第3回 1986年5月 於:馬山 クリスタルホテル
演   題: 職業病診断の新知見、環境測定の新知見、中小企業の健康管理
特別講演: 志田寿夫「日本における塵肺X線診断の過去,現在,未来」
        李 昇漢「韓国の炭鉱夫じん肺」

第4回 1987年4月 於:東京 後楽園会館
演   題: 職業病の新知見、モニタリングの新知見、集団保健管理
特別講演: 坂部弘之「新規化学物質の有害性予知」
        ゙圭常「後進国への技術移転における産業安全保健と労働条件に関する実行規則作成
        のためのILO専門委員会参加報告」

第5回 1989年6月 於:済州島 KALホテル
演   題: 職業病の新知見、環境管理の新知見、産業医の任務と教育
特別講演: 山口誠哉「古典的鉛中毒からBehavioral Toxicologyまで」
        廉 容泰「韓国の産業場の作業環境および職業病現況の分析研究」

              
第5回集談会

第6回 1990年4月 於:北九州 産業医科大学
演   題: 労働安全衛生法改正、労働衛生分野の新話題、
特別講演: 土屋健三郎「建学の理念と展望」
        李 昇漢「韓国の産業保健医」

         
第6回集談会

第7回 1992年5月 於:慶州 ・・・*この回より、中国の研究者が参加
演   題: 職業病、健康診断と環境測定の精度管理、中小企業の健康管理
特別講演: 劉 世傑「中国の職業保健事業」

第8回 1993年5月 於:京都 平安会館 ・・・・*この回より「青年部交流会」が発足
演   題: 職場環境と職業病、職業性肺疾患、産業医研修、中小企業の健康管理
特別講演: 石川高明「日本医師会における認定産業医制度」
        大久保利晃「日本産業衛生学会の専門医制度」
        朴 正一「韓国の産業医学専門医制度試案」

第9回 1995年5月 於:大田 儒城ホテル
演   題: 有機溶剤中毒、その他の職業病と作業環境、青年部討論会、産業保健サービス
青年部討論会: 堀江正知「21世紀の産業医学の実践」
           盧 在薫「韓国産業保健の未来像」
特別講演: Pat Ashworth(英国・Ulster大学)「労働者の健康管理における看護活動」

第10回 1996年5月 於:札幌 サンプラザホテル
演   題: 物理的要因による職業病、振動に関するシンポジウム、(青年部会)産業保健と情報処理
特別講演: Jorma.Rantanen(フィンランド労働衛生研究所長)「労働衛生の実践活動」
        朴 恒培「航空医学の課題と展望」
        斉藤和雄「産業職場におけるストレス問題の解明について」
        王 生「中国における産業医学の研究と産業保健医の教育」

                
第10回集談会
 

第11回 1998年5月 於:雪嶽 パークホテル
演   題: 作業環境管理と人間工学、労働者の健康管理、産業保健の展望、(青年部会)人間工学
特別講演: 崔 炳秀「韓国における産業保健の現況と展望」
        唐沢正義「日本における産業医の養成と資質向上に関する報告」
        佐藤章夫「化学物質の毒性、アルコール性肝障害、および糖尿病の発生における糖質の
               役割」
        文 栄漢「韓国における特殊健康診断制度改善案」
        李 徳鴻「中国における合作企業の産業保健サービス」

     
第11回集談会 (下)青年部討論会
                              

第12回 1999年5月 於:岡山 岡山大学医学部
演   題: 健康管理・職業病予防、作業環境管理、産業保健と地域保健との接点
特別講演: 青山英康「健康保険組合の産業保健活動
        廉 容泰「国民健康増進事業における労働者健康増進事業の現実的接近」

    
第12回集談会 懇親会



 
             「韓日中」発足委員会 2000年4月22日 於:産業医科大学    
   
                                                     中国側実行委員 (当時)
                                              



第13回 2001年5月 於:北京 北京大学医学部 
演   題: 職業性呼吸器疾患、中小企業労働者のための産業保健
基調講演: 大久保利晃「日本の産業保健サービス・研究の現状と将来」
        李 昇漢「韓国における産業保健NGO」
        Fengsheng He「中国における混合(殺虫剤)曝露の健康影響」

 
第14回 2002年5月  於:プサン パラダイスホテル  
演   題: 職業性呼吸器疾患、労働人口の高齢化
基調講演: 川上憲人「日本の職域メンタルヘルスおよび自殺予防国家戦略」
        鄭 浩根「韓国における産業保健改善戦略」
        Jianxun Hueng「1,2ジクロロエタン曝露による中毒性脳症」
特別発表: Thomas Kieselbach(ドイツ・ブレーメン大学)「労働変動の時代の産業保健と人材マネージ
        メントの役割」

      
第15回 2003年5月 於:沖縄・・・SARS(重症急性呼吸器症候群)の影響で中止 

第15回 2004年5月 於:北九州市 北九州国際会議場   
演  題: 中小企業の産業保健 職業性疾患(呼吸器)
基調講演: Lin Wang (Jinng Medical College, China)
       Byung-Kook Lee (Soonchunhyang Univ. Korea)
       前田節雄(産業医学総合研究所)

第16回 2005年6月 於:中国大連市
 Furama Hotel
演  題:  攻めの産業保健サービス〜予防から増進へ〜筋骨格系障害
基調講演: Nam Won Paik (Seoul Natiional Univ. Korea)
        Tang-chun Wu (Huazhong Univ. of Science and Technology, China)
        庄司卓郎(産業医科大学)

第17回 2006年5月 於:韓国済州島 Jeju Oriental Hotel
演  題:  健康増進活動 Health Promotion  筋骨格系障害 Musculoskeletal Disorders
基調講演; Jin-yuan Zhao (Peking University Third Hospital, China)
        Kwang-ho Meng (The Catholic University of Korea College of Medicine, Korea)
        高橋 謙(産業医科大学)
 
                             
(産業医学ジャーナル誌 Vol.21 ゙ 圭常氏の記事より一部抜粋)